これは遠い遠い世界の……暑い暑い中央アジア付近で暮らす、ふたりの少女の……短い短いお話。

自然豊かな土地でスクスクと健康に育った彼女たちですが、残念なことに体型だけはお子様のまま。
ですが、そんなふたりにも『もらい手』の話がチラホラ囁かれる時期がやってきたのです。

「……ほえー。なにもしないって最高だよねー」

川の浅瀬で寝そべり、青く透き通った空を見上げるノンノン。

「退屈や! なんでウチだけお留守番なんや?」

中庭の桟敷で、木漏れ日を避けてゴロゴロと寝転ぶヌンヌン。
ふたりは、お互いのことを考えます。
――ノンノン――

「あのときも、こうして寝てただけなのに……」

ヌンヌンが『溺れた!』って勘違いして、大慌て。
その姿が、おかしくておかしくて、
思わず笑ってしまったけど。

「ヌンヌン、泣かせちゃって……ごめんね」

……本気で心配してくれたんだよね、ヌンヌンは。
ノンノン
――ヌンヌン――

「ノンノンの奴……自由すぎるやろ」

さっきおばさんが捜していたけど、
家の近くには居ないと思うなー。
きっとノンノンのことだから、こんな日は……川で水浴び。

「大丈夫なんかなーぁ? 刺繍、進んどるんか?」

ウチは余裕。でも絶対終わらんやろ、ノンノンは。
ヌンヌン
ヌンヌンの家族が街へ行ったのは、刺繍に使う色糸を買うため。
ふたりが懸命になって縫い上げなければならない刺繍は、自らの嫁入り道具に施すモノ。
これが完成して初めて、少女たちは『大人の女性』として認められるのです。

「うーん、このままがいいな。このまま、ずーっと……」
「あー、心配やー。心配やけど、なんだか……こう……」

心地良い川の水に身を委ねたまま、ゆっくりまぶたを閉いてしまうノンノン。
花やヤマブドウの匂いを嗅ぎつつ、いつしか夢の扉を開いてしまうヌンヌン。

……こんなふたりでも、無事に嫁げる日はやってくるのでしょうか?
「ヌンヌン&ノンノン」抱き枕カバー

コミックマーケット87にて発売の、
笛先生描き下ろしの抱き枕カバー。
手触りがよく発色が良い為、水や刺繍の表現など、
きれいに表現されています。

企業ブースNo.515・カーニバルブースでも
実物を展示予定となりますので、ぜひご覧ください。

また、1月までカーニバル通販にて予約を受け付けて
おりますので、そちらもよろしくお願いします。

/

素材:ライクプラチナム(2wayトリコット)
サイズ:1600mm×500mm
描き下ろし抱き枕カバー